田舎住みから見る、日本人の金融リテラシー
今日はスマホからの更新です。
やっぱり、だんだん投資よりも私見や雑記の方が多くなってきちゃってますね。
さて、今日はタイトルの通り、金融リテラシーについてです。ここでいう金融リテラシーとはめちゃくちゃ簡略化して『資産を増やすための知識』を指すことにします。
さて、金銭感覚というワードを使わなかったのにはワケがあります。
結局のところ、金銭感覚というのは理屈に沿わない個々人のものでしかないからです。
(言葉の正式な定義は、すみません。分からないままに書いてます)
高い車(クラウン? とか ハリアー? とか)を買うことや、高いゴルフクラブを買うこと、風俗に通うこと。パチンコでの勝った負けた。
先に言っておきますが、私は別にこれらを否定したいわけではありません。ただそのどれにも興味を示せないだけです。これら全てを提供する人がいる以上、経済を回しているに過ぎません。
ぶっちゃけると、マクロ経済的に見れば良いことなのではないでしょうか。少なくとも、タンス預金よりは。
ただ問題として、これらにお金を支払うことは、その全てが金融リテラシーを持つ人にとっては負債に過ぎないということであり、そうしたことを皆さんが知らないままに行っているということです。
これらを買うということは、言い換えるなら資産を買うことを止めているということです。お金を増やすチャンスを逃しているということですね。
「そんなことない。パチンコは現代の錬金術だ!」ということを仰る方もいらっしゃるかもしれませんし、世の中にはパチンコ攻略法なんかもあるそうなので、攻略法を知っている方にとっては資産なのかもしれません。
が、やっぱり大抵の人は知らないので、高齢者なんかはガンガン年金を呑まれてはお金を借りて破産してます。
何度でも言いますが、これらが悪いとは全く思いません。
しかしながら私の職場では、貧しい老後を送りたくないと思っているにもかかわらず、資産を増やそうとしている気配が全くといっていいほど感じられません。
もう十年もしたら年金生活なのでは? という人も、どこか自分の子供を頼りにしているような気さえしています。
こうした人は残念ながら勘違いしているのです。自分も親の面倒は看たのだから、自分も同じように面倒を看てもらえるのだと。
私から言わせて貰えば、それは見たくないものを見ないようにしているだけなのではと思わずにはいられません。
高い車やゴルフクラブ、風俗なんかはもう完全に趣味の領域なので置いておきます。これらがお金を生む資産にならないことは、流石に皆さんもわかるはずです。ゴルフのインストラクターや、風俗ルポライターになるならまた別なのかもしれませんが、まぁ、やっぱり資産ではないですね。経費かな。
例を挙げるなら、家でしょうか。よく言われてましたね。「男たるもの結婚して一戸建てを持って一人前」なんて。いや、田舎ではこのルールまだ現役なんですけど。あと「酒を呑めないやつはダメ」もありますね。パワハラ&アルハラしゅごい…。
さて、この少子高齢化社会、家を資産と観ることは難しくなりつつあります。
なぜかと言えば、お金を生むどころか減らすだろうことが予測されるからです。これは経済に明るくない私でもなんとなく分かります。
このまま少子高齢化が進んでいけば、全国各地で多くの家が空き家になることが調査や統計によって明らかになっているそうです。ちょっと前にテレビで見たので、このデータはたぶん間違ってないのではないでしょうか。たぶん。
そのテレビでは行政が土地を買って活用していこうとしていましたが、活用しようがない土地だってあると思います。まぁ、売れ残るわけですね。
物には値段があり、それらは主に需要と供給で成り立っています。
これから空き家が増えるということは過剰なほどに土地が余るということであり、供給と需要を合致させるには値段を下げるか、洗脳もしくは過剰なほどに税制の優遇でもして需要を底上げするしかありません。どこかに土地を売ろうとしても足元見られて買い叩かれるんじゃないですかね。
そもそも、どうして「男たるもの~」なんでしょうか?
まぁ、理由は諸説あります。古くからの御家制度の名残説や、若いやつをマウンティングするためだけ説なんかもあります。銀行が原因説もあるかな。
まあとにかく、順当に考えれば家の資産価値は下がるしかありません。
さらに言えば、これからは老々介護の時代が待っています。家での介護となると、おそらく普通に考えれば破綻するのが目に見えています。介護は大変なので。
終の住処なんて言ったところで、本当に最期を迎える場所は病院か老人ホームになるのではないでしょうか。子どもたちも結局は自分の新築に住み続けるので家は売られ、買い叩かれます。
あとは晩婚化もありますね。だいたいの人は結婚してから家を買うと思いますが、仮に35歳で家を買うとします。固定金利35年ローンです。早く返していかない限り、金利はついていきます。
30年で返したとして、その頃には65歳。15年もすれば80歳です。老人ホームへの入居なんかを考えなければならない頃ですね。
いえ、別に20年で返しても良いんですけどね。結局その頃にはリフォームやらなんやかんやのせいでまた費用が嵩むので。
そうしてリフォームやら何やらしても、資産価値は下がったままです。いやだって、その家や土地を多くの人が高値で買う理由がないですからね。
日本人の資産が増えなかった理由は、おそらくこの過剰な持ち家投資にあるのでしょう。買って、値段が下がってから売却する。子どもは新築で建てるので、結局は土地が資産にならないまま、その繰り返し。あとはバブルもかな。
こうした理屈を、もちろん口に出すことはありません。田舎ではそれが許されてはいないからです。私が『偉い学者の先生』だったとしても、おそらくは「学者は知ったような口を叩くのが仕事だから」と相手にされないだけでしょう。
ピケティは一時期持て囃されましたが、今では私の職場では、誰一人としてピケティの名を覚えている人は居ません。淋しいことです。
お金持ちになるために、宝くじではなく、資産を増やす某かを買えば良いのにとは思いますが、それを言うことはありません。相手にされないのが分かりきっているからです。
結局のところ、田舎の金融リテラシーが高まらない最大の理由は、「男たるもの~」のような意識に依るものでしょう。これを変革する方法が基本的に無さそうなところが最大の問題です。
もしかしたら、こうして投資をして資産を増やしていくことも無駄なのかもしれません。もしかしたらやがては株などを保有しているだけで税金が掛かる(経営者を除くなど特例を設けて)保有税なんかも出てくるかもしれません。
こんな暴論が笑えなくなるくらい、やがて田舎は高齢化して、労働者は生かさず殺さずとなるかもしれません。
かもしれませんばかりですが、そんなことを考えてしまうくらいに、誰しもが他の選択肢を考えていない、田舎からの私見でした。